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愛するものとの日々/グーグーだって猫である

大島弓子さんのマンガは以前から好きでよく読んでいる。
大島さんの猫好きはマンガにもよく現れていて、チビ猫の成長の物語『綿の国星』や飼い猫サバを描いたものなど多々。

「グーグーだって猫である」は彼女の自伝的マンガの映画化。
愛猫サバを失い、マンガを描けなくなったつらい日々。
そんな日々の果てに、彼女はペットショップで一匹のアメリカンショートヘアの子猫に出会う。
その子猫をグーグーと名づけ、ともに暮らし始める。
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映画は彼らの住む吉祥寺界隈や井の頭公園での日々を穏やかに綴る。
ペットロスから立ち直った彼女は再度マンガを描き始める。
が、その矢先、ガンにかかっていることがわかるのだ。
長時間の手術が成功し、一命をとりとめたものの、抗がん剤の副作用でウツ症状になった彼女。

先に逝ったサバのことを思い出す。
ペットを深く愛する人は、きっとこんなふうに動物とおしゃべりしたいのだろうなと思うような美しいシーンがあった。
夢うつつ、死神の案内で彼女はサバと再会。
冬の晩、とてもかわいらしい女性として現れたサバと二人、ストーブが炊かれる暖かいカフェでお茶をしながら語り合う。

誰かを先に送ると、残されたものはその人は幸せだったのかどうか、と考える。
それがともに暮らした相手ならなおさらだと思う。
サバの「あなたといられて楽しかったよ」という言葉に背を押されてもう一度生きはじめた彼女には、グーグーも友人たちも待っている。
愛するものとの日々はいつか送ったり送られたりで、つらいこともあるだろうけど、やはり素敵だと思うのだ。


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by jellyfish222 | 2011-01-09 09:03 | 映画、TV